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雑誌掲載用に写真撮影に出かける。
前門のすぐ近く、北京市企画展覧会へ。つまりはエキシビジョンホール。 ここには森ビルがつくった六本木ヒルズを中心とした巨大な東京の都市模型のような、というよりもっとでかくもっと細かい北京の都市模型が展示してある。 人がいっぱいいるってことはそれだけですごい。 だいたい北京の市街地は第三環状線と呼ばれる環状道路の内側。東京の地図を重ねると山手線が収まるくらいだからやはり都市としては巨大。東京の市街地はそれぞれが連続しておらず、駅を中心として各地に点在するようにできあがっている、というのはよく言われていることだが、北京はさらにその点在ぶりが顕著。あるとこにはある。ないとこにはなんにもない。なんでもかんでもやりすぎです。 しかしながら北京は都市の構造が天安門を中心としてほぼ東西南北対称にできているため場所の把握がしやすい。僕が働く建外SOHOはCBDと呼ばれる商務中心地区の中にあり、そこはCCTV(建設中)も含むいわゆるビル街。東京における新宿副都心といったところか。 ともかく高度経済成長期においてにょきにょきと形成してきた新宿が今まさに僕の足下で行われているというのはなんともエキサイティングなこと。日本でもあの時代の建築はなにか「やっちゃった」ものが少なくないが、今その建築業界の一端(端っこの端っこ)を担う者としてその気持ちが痛いほどわかる。いやほんと、やっちゃわないとやってられない何かが渦巻いているんです。それだけ僕らの力は弱く、社会の流れは強い。「何も手を加えない」ことをひとつの表現とするようなミニマルなデザインに対する理解というものは「やっちゃった」ものを体験したものだけが反体制的に納得しうる感覚であって、一度もアノニマスなところから足を踏み出していない人たちにとっては単なる「手抜き」に過ぎない。今まで一階建ての家に住んできた人たちが高層ビルに住んでみたい、と思うのは当然の欲求であって、そんな中、やっぱり平屋が一番いいのよ、と言っても彼らにとってそれは懐古的な提案になってしまうのだ。 だからといって中国の土壌を「成熟していない」の一言で見放してしまうのはあまりに安易。つまりそれは日本のバブル期に成された都市形成の失敗に対して後からいいわけじみた批判を繰り返すネガティブな評論家に等しい。「やっぱりね」とか「だからディベロッパーは」なんて言葉は誰にでも言えることで、その代解として十分な提案をできず、十分な実践力をもたなかった建築家は社会的に「負け組」なのである。 その方法論は既にレム・コールハースによって示された。道がないと言えば嘘になることを彼ははっきりと突きつけている。
by tezzobasar
| 2006-09-23 04:04
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